cobalt氏作「桃源郷の恋人」をプレイ

PC重視の一本道ロングシナリオ。
山を越え、川を渡り、森を抜けてひたすら東へ進み、幻の桃源郷を目指すシナリオです。
長編読み物ではありますが、ストーリー重視ではなく、前半はやや冗長な印象があります。しかし、後半に入り、クライマックスに近づくにつれ、PCがピンチになる場面など、だんだん緊張感をともなうイベントが増えてきます。
プレイ中、一番印象に残ったのは、PCがしゃべりまくることです。PCがそれぞれの性格や役割に応じていろんなセリフを話すので、プレイを通じてPCへの愛着がとても深まったように感じました。
readmeには読み物とありますが、ゲーム性も高く、能力判定を使った「狩り」システムや、ギミックバトルなど、各所に工夫が見られます。
目を引くのが、ビジュアル面と音響面で、洗練された適材が適所に使われていました。特に効果音の使い方がすばらしく、雰囲気作りの丹念さが垣間見えました。
総じて、垢抜けた作りの長編で、名作だと感じました。