キーコードの消極的利用と積極的利用(前編)

キーコードを用いたイベントは古今東西のシナリオで利用されており、カードワースの主要な魅力の一つになっています。
今日は、主に戦闘時におけるキーコードイベントの有意義な組み方を考えてみたいと思います。


ここでは、キーコードの利用を「消極的利用」「積極的利用」に分けて考えます。


「消極的利用」とは、使用カードにキーコードがついていることが、PCに対して不利にはたらくイベントの組み方です。
すなわち、「対象消去」に代表される使用の禁止や、「暗殺」への反撃などです。
この他にも、威力の減衰などがありますが、今回は主に禁止に絞って取り上げます。


「積極的利用」とは「消極的利用」の反対で、使用カードにキーコードがついていることが、PCに対して有利にはたらくことです。
つまり、弱点の攻撃や遠距離敵への攻撃、盗みなどのことで、これまで作家達の知恵により様々なイベントが用意されてきました。


TRIAL板できちょうじのカキコミを読んでいる人は見飽きたかもしれませんが、きちょうじは「消極的利用」には“基本的に”反対です。
――というのも、キーコードがついていないカードが有利に働く状況をシナリオ側で作り出してしまうと、プレイヤーはキーコードのついていないカードを重宝するようになり、結果的にキーコードというCWの魅力を乏しくしてしまう可能性があるからです。また、プレイヤーは自分のカード選択が無効化されたことにストレスを感じるかもしれません。


逆に「積極的利用」はどうでしょうか。
プレイヤーは好んで適切なキーコードが設定されたカードを求めるようになり、それによってプレイの幅を広げることができるはずです。これこそがキーコードがもたらすべき真の恩恵ではないでしょうか。


ですが、自分の作ったボスキャラが、呪縛、中毒、沈黙、眠り、麻痺(石化)、即死、消去などで倒されるのが嫌だと思われる作者もいると思います。
自分が練りに練って考え出した敵キャラがボコスカやられてしまうのは決して気持ちのいいものではありません。
実際、昔は敵キャラに鬼のように禁止キーコードをつけているシナリオがいくつも見受けられました。中には、キーコードはカードの無効化のためにあると考えている作者もいたと思います。


しかし今はそんなシナリオは少なくなりましたね。
この理由の一つは、「暗殺」は「一撃必殺」とは異なるなど、キーコードの意味に対する理解が深まったことが挙げられます。
二つ目の理由として、それぞれの効果に対し、キーコード禁止によらない緩和方法(怪力無双など)が普及したことがいえます。
三つ目の理由としては、一撃必殺や麻痺攻撃で敵を瞬殺するようなプレイスタイルも尊重しようという、プレイヤーへの配慮が挙げられると思います。


以上のようにキーコードの「消極的利用」が減ってきたことはとても喜ばしいことだと思います。
ただし、2つ目の理由については、具体的な緩和方法が説明不足で分かりにくかったかもしれません。
次回は、上に挙げたキーコードを逐一取り上げ、キーコードの「消極的利用」を避けるイベントの組み方を具体的に考察してみたいと思います。